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岩澤倫彦さん(ジャーナリスト)第1回「フッ素歯磨きの効果と危険性、ほんとうのところは?」

今回のUpdaterはジャーナリストの岩澤倫彦さん。2004年に自身のプロダクション『TV-NEWS & DOCUMENTARY ノーザンライツ』を立ち上げて以来、一貫して医療や社会問題の調査報道に取り組んでいる。 ニュース番組やドキュメンタリーなどの映像、書籍、雑誌、新聞、ウェブメディア、ラジオなどさまざまな媒体で、埋もれた真実に光を当てている。とくに歯科診療の問題に詳しく、著書に『やってはいけない歯科治療』がある。彼が日本の歯科診療に感じる問題点とは? また、患者が歯科診療で最低限知っておきたいポイントは何か聞いた(2019年3月対談)。

医療関係者と患者の情報格差が生む問題

早川:もともとテレビ局のご出身ですよね。
ご自身で撮影から編集までしていたのですか?

岩澤:夜のニュース番組のディレクターだったので、よく取材クルーを連れて現場に入っていました。
いわゆる「発生もの」と言って、事件や事故があったらパッと現場で取材をして、その日のうちに出します。
そのルーティーンがベースでした。
ニュース番組はどうしても横並びになるので、特色を出すために、各局で特集番組を組んでいました。
僕が手掛けたのは、医療系のニュースが多くて、テレビの仕事を離れてからもそちらのほうをメインにしています。

早川:独立されてどのくらい経ちますか?

岩澤:自分の会社を立ち上げたのは2004年です。
テレビ番組の制作には、正社員の局員以外に、多くの契約社員や外部委託のスタッフが関わっています。
僕は個人事務所を通して、民放のテレビ局と契約するというスタイルでした。
だから、独立したわけではなくて、テレビから一回離れたということになります。

早川:岩澤さんのプロダクションは、「TV-NEWS & DOCUMENTARY ノーザンライツ」という社名です。
ノーザンライツってオーロラのことですよね?

岩澤:そうです。

早川:私事ですけど昨年9月にアイスランドに行って、「ノーザンライツ」という名前のホテルに泊まったことを思い出しました。

岩澤:そうでしたか。
星野道夫さんのことはご存じですか?

早川:はい。

岩澤:星野さんは千葉の市川市の出身です。
僕が市川でケーブルテレビの仕事をしていたときに彼を取材したことがあったんですよ。
直接お会いして作品を見せていただいたのがきっかけで。
「自分の会社を立ち上げたら、ノーザンライツという名前にしよう」と決めたんです。
それが20代前半の頃です。

早川:オーロラマニアではないのですよね?

岩澤:全然違います(笑)。

早川:これまでいろんな取材をされてきたと思いますが最近特に歯の取材に力を入れている理由は何でしょうか?

岩澤:そもそも、僕が医療系の情報発信を積極的にしているのは、医療関係者と患者の間の情報格差が大きいことに気がついたからです。
ネットが普及した今では、気軽にSNSでドクターとつながって、いろいろ質問できるようになっています。
それでも、ベースのところで全然意識が違うのです。

僕のような仕事は、ある意味インターフェースだと思います。
両方の考え方がわかって、それを客観的に伝えることができるのが自分の役割だと思っています。
とくに医療って、日々の生活に直接関わるじゃないですか

歯についても、僕を含めた日本人はそこまで深く考えていません。
だけど、欧米では、健康の中でもすごくプライオリティが高いんです。
外国の要人はみんな歯並びが良くて、色がきれいじゃないですか。
安倍首相はガタガタして着色があるので、そこは恥ずかしい部分です。
そういう意識のギャップを埋めたいと思いました。

それと、僕の世代から上には、みんな銀歯があるんですよ。
ニカッと笑うと、奥の2本がだいたい銀歯になっています。
「どうして銀歯になっているんだろう」という素朴な疑問が一つあったんです。
欧米ではあまり見ないじゃないですか。

早川:確かにそうですね。

岩澤:欧米では、国民に銀歯にならないような歯科教育がベースにあるということです。
そもそも、銀歯というのが日本独自の特殊なものです。
銀歯を被せることによって、歯を失う負のサイクルがあるということを、僕らは知りませんでした。

歯科診療で最低限知っておきたいポイント

早川:歯の取材を始めてどのくらいですか?

岩澤:最初はテレビ局にいた時代です。2007年くらいでしょうか。

早川:先ほどおっしゃったように、歯は生活と切っても切れないものです。
いろいろな疑問や不満、不安を抱えているけど、どこに聞いたらいいかわからないという方もいます。
歯科医師の方が、歯科業界の裏側を書いている本もありますが、岩澤さんのような第三者的なところで語っている人はなかなかいません。
ご著書の『やってはいけない歯科治療』を出版されて、もう1年くらいですよね?

岩澤:そうですね。

早川:その本を出版されたことによって、いろいろな変化や反響があったと思います。
当時、書けなかったこともあったかもしれません。
まずは、本の中にもありましたけど、「デンタルIQを高めること」について聞かせてください。
そもそも、「デンタルIQ」というのは岩澤さんの造語でしょうか?

岩澤:いえ、歯科業界でよく言われている言葉です。
患者教育が大切だという視点から出てきました。

早川:デンタルIQという言葉はすごく刺さったので、これから高めていきたいと思います。
わたしたちが「最低限これだけは知っておきたいポイント」を教えていただけますか?

岩澤:世代によって、すごく歯の状態は変わります。
諸説あるので、「絶対にこれが正しい」とは言い切れない部分はありますが、いろんな状況証拠から推察すると、やっぱりフッ素の歯磨きが普及したことが大きいです。
あるメーカーが出している統計で、「日本人の虫歯の数とフッ素の入ったペーストの歯磨き粉の普及の販売量」を見ると、見事に反比例しています。

早川:反比例ですか。

岩澤:フッ素入りの歯磨き粉が有用なのは明らかで、日本人の口腔を変えたと言われています。
しかし、フッ素には毒性もあるという見方もできます。
アルコールでも、ビール1杯2杯は問題ないけれど、毎日何十杯も飲んでいたら体を壊しますよね。
それに近い話なんです。

ちなみに、フッ素を幼児が過剰摂取すると、白い斑点や縞模様が出る「斑状歯」になることから、一部の歯科医は「フッ素=毒」と主張しています。
「量が毒性を決める」の格言の通り、適量であればメリットの方が大きいと私は思います。

早川:何でもとりすぎると体に悪いということですね。

岩澤:そうです。上手に使えば、利点もあります。
フッ素の歯磨き粉を使うと再石灰化が促されるので、溶けた歯の表面を自然治癒できるのです。
最近、歯科での歯磨き粉の使い方が変わってきています。
今までは歯を磨いたあとに、しっかりうがいして口の中の歯磨き粉を流していたと思います。
今、歯磨き粉のメーカーや歯科予防の先生は、「ある程度フッ素の歯磨き粉を残して寝てください」と推奨しているんですよ。
最新の歯磨き粉のパッケージにも「軽く一回だけすすいでください」と書いています。

早川:何度もすすぐのではなく、口の中にある程度歯磨き粉を残しておくのですね。

岩澤:ええ。
歯磨きの仕方というのも時代によってどんどん変わっています。
僕らが子どものころは、歯磨き粉をいっぱいつけるよう指導されました。
そうすると、からくてピリピリするじゃないですか。
だから、「あまりつけずに磨いて、しっかり口をゆすいでから寝ましょう」と教わりました。
今は「少し歯磨きを残したまま寝てください」というふうに変わっています。

ただ、その変化を国民に広く伝える機会はありません。
テレビコマーシャルだと、「会社にとって都合のいい嘘ではないか」と疑われることもあります。
そういった意味で、何が正しくて、何が間違っているのかという情報も、時代によって変わっていくのです。

早川:正反対になることすらありますよね。
ちょうど、 2年前にお会いしたときには、「ヨーロッパではフッ素が禁止されている」という話がありました。
そこは、どうとらえればいいのでしょうか?

岩澤:フッ素ががんや心臓、脳に影響があるという説はありますけど、証明はされていません。
とはいえ、健康被害を証明しようとすると、人体実験になるので難しい側面はあります。
理論上、フッ素の毒性は、大量に投与すればあります。
でも、薬は全部そうじゃないですか。
危険というイメージだけが先行しています。

早川:いずれにしても、一つの情報に振り回され過ぎないとことが大切ですね。
僕ら素人が答えにたどり着くのはなかなか難しいので、岩澤さんのような存在を頼りにしています。

岩澤:僕も間違えることはあると思うんですよ。
2019年に言っていることが、29年には違っている可能性はもちろんあります。
そこは悩ましいところです。

早川:実際に、この数年で変わったことはありますか?


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