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坂之上洋子さん(経営ストラテジスト/作家)第1回「家庭を持っても働き続ける意義」

米国の大学を卒業後、デザイナーとして数々の賞を受賞し、米国のIT企業の副社長を経て独立した坂之上洋子さん。Newsweek誌の「世界が認めた日本女性100人」の一人にも選ばれた彼女だが、現在は経営ストラテジストとして、国際機関、社会起業家/NGO/NPO、企業へ経営戦略の構築をしている。そんな彼女は結婚、出産後も働き続け、キャリアを築いてきた。家庭を持ちながら、社会と接し続ける意義について、坂之上さんは話してくれた(2019年2月対談)。

経営ストラテジストとは?

早川:洋子さんの肩書は何でしょうか?

坂之上:今は、「経営ストラテジスト」と名乗っています。
経営者と一緒に「経営」と「戦略」について考えるので、「経営ストラテジスト」という肩書を自分でつくりました。

早川:経営者から「戦略を一緒に考えてください」と頼まれて、そういう仕事が増えてきたんですか?

坂之上:最初の方はブランディングがメインでした。
商品をトータルでリブランディングして企業の価値を上げていたので、10年ほど前まで「ブランドコンサルタント」という肩書だったんです。
その後、独立してから業務が多岐にわたるようになってきました。
企業ごとに困っているポイントは異なるのですが、経営者と経営判断をすることも多いですね。

早川:そういう仕事をしている方は他にも大勢いるのですか?

坂之上:私を雇っている時点で、他の経営アドバイザーとは出会わないので、よくわかりません。

早川:まずは「坂之上洋子とは何者なのか」について迫っていきたいと思います。
もちろん本も出されていますから、ご存じの方も多いでしょう。

坂之上:本はかわいい系だから、全然仕事とは関係ないんです(笑)。

早川:ぼくも『結婚のずっと前』を読ませていただいて、「結婚する前に読みたかったな」と思いました(笑)。
今はどのようなライフスタイルですか?

坂之上:フランスの企業に勤めている主人が、北京に駐在することになったので、家族で一緒に北京に引っ越しました。
そのときは日本の仕事をどうするか悩んだのですが、「今はネットの世界だから、やめなくてもいいんじゃないか」という話になったんです。
なので、北京に住みながら、日本にも月2、3回は仕事で来ています。

早川:北京がホームで、日本や他の場所に出張しているという感覚ですか?

坂之上:家族がいるので、北京が私のホームです。
でも毎月東京には来ていますよ。
飛行機は羽田空港に着きますし、風向きによってはフライトが3時間切る時もあります。

早川:洋子さんは、家庭を持ちながら仕事もバリバリされているイメージがあります。
家庭と仕事のバランスって、多くの人にとって永遠のテーマです。
「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が独り歩きしていますが、個人的には本当にそれができている方をほとんど見たことがありません(苦笑)

坂之上:主人は中国系アメリカ人で、国籍の問題なのか、彼自身の価値観なのかわかりませんが、「あなたに専業主婦という選択肢はない」という考えだったのです。

「犬や植物を大事に育てるのが好きなタイプならいいけど、そもそも家にいるのが好きじゃないよね? 外で人としゃべることが好きな人が家にいてはいけないよ」と言われました。

早川:結婚してから言われたのですか?

坂之上:はい。
私は、結婚後も仕事していましたが、最初はキャリアもないし、たいして稼いでもいませんでした。
その頃子どもが生まれて。

早川:そのときは日本にいたんですか?

坂之上:アメリカです。
子どもが生まれたら、普通母親は家に入る人が多いじゃないですか。
でも私は、主人から「本当に子どもがかわいそうだからやめてくれ」と言われたんです(苦笑)
なので、当時の給料をほぼ全部使ってベビーシッターを雇い、働きに出ました。
全部どころか、赤字だったかもしれません。
そのときは「どういうこと?」と少しモヤモヤしながら働いていました。

早川:モヤモヤしながらも、「働く」という選択肢を取ったのは、ご主人の言っていることが的を得ていると思ったのですか?

坂之上:そのときは小さな会社とはいえ、起業していたので、「仕事を続けなくては」と思っていました。
でも子どもを生んだ直後って、女性ホルモンの数値も上がっていますし、赤ちゃんってかわいいし、家にいたかったんですよ。

早川:産後の女性は情緒不安定になりやすいですし、家庭のピンチも起こりやすいと思います。
ご家庭は大丈夫でしたか?

坂之上: 日本では3歳児神話というものがありますよね。
私も「子どもが3歳までは母親が育てたほうがいい」ということを言われてきました。
家庭内のピンチというよりは、そういったものとの戦いが自分の中でありました。

でも、仕事から戻ってきたときは、少々赤ちゃんがぐずろうが何しようがかわいくてたまりません。
そういう意味では、子育て中のストレスは、すごく少なかったと思います。

早川:生後何カ月から働き始めたんですか?

坂之上:ずっとです(笑)。
生後3カ月のとき、緊急で日本に行くことになったことがあって……。
やっと赤ちゃんが飛行機に乗れる月齢です。
私は仕事で、先に行って、主人が後から子どもを連れてきてくれました。
小さな赤ちゃんを抱えてうちの主人が乗ったときに、日経の航空会社でしたから、客室乗務員の方々から「母親は出産で亡くなったんだろうな」という同情の視線を受けたと言っていましたよ。
そのくらい日本では珍しい光景だったんじゃないかと思います。

ちょっと「距離」があったのが良かった

早川:この対談を文字にしたときに、「お子さんが生まれてもバリバリやって来られた方なんだな」という印象を受ける方もいるかもしれません。
ぼくは2回お会いした中で、どうもそれだけじゃないと感じているんです。
家庭の中でうまくやるポイントをおさえているのでしょうか?


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