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安藤彩英子さん第2回「不確実性があるからおもしろい」

芸術家になるなら美大。音楽家になるなら音大──今回のUpdater安藤彩英子さんの画家への道は、そんな「ステレオタイプ」な夢の実現の仕方とは一線を画すものだった。夢をかなえる入口はひとつじゃない。大切なのはむしろ出口。たとえ今は夢からほど遠い場所にいたとしても、実現の道はいくらでもある。客室乗務員から画家への転身を果たした安藤さんとの対話は、そんな気づきを与えてくれるものとなった。今回はインタビュー後編をお届けする(2015年10月ホーチミンで対談)。

 

漆画は「飽きないゲーム」

安藤  こちらで元々ベトナムの漆画っていうものが生まれた歴史をお話ししますと、1925年のフランス植民地時代にフランス人の画家が、すごくベトナムを気に入って美大を作ったんです。やっぱり、本国から油絵の具とか、画材を持って来るのが難しいので、ローカルの物を何か使ってできないかということで、漆を絵の具として使うようになったのが始まりなんですね。なので、漆画をやっている人っていうのは、だいたい画家なんです。まず、絵が描きたい。その絵を描くときに、どういう風に漆を絵の具みたいに使えるか。その、代用として使おうとしているわけですね。私は、代用では無くて漆の面白さを楽しみたいっていうことなので。

パッと見ると、すごく素敵だなって感じる絵を描く画家さんも多いんですけど、じゃあ「漆画としてこれは面白いか」というと案外そうでも無かったりして。そういう意味で言うと、私の絵は、もう本当に、「もう! この漆、面白いでしょう!」っていう、そういった作品なので、多分見る人もそういったのが、「ちょっと違うな」って感じるんじゃないでしょうかね。

早川  面白いですね。じゃあ何だろう……。画家って言うよりも、「漆」という言葉がまず来るわけですね。

安藤  そうですね、私の場合はね。

早川  漆画家の人って、たくさんいると思うんですけど、当然皆さん、漆以外の何か絵を描いたり、作品を作ったりする人もいるわけですよね。

安藤  そうですね。

早川  安藤さんは、どうなんですか?

安藤  私は、前の仕事を辞めて画家になろうという時に、漆が絵の具になるっていうのも知らないし、ベトナムにそんなのがあるということも知りませんでした。なので、実はデッサンの勉強をするために、ある油絵画家さんのアトリエに、1年間毎日毎日通ったんです。

早川  日本で?

安藤  日本です。朝から晩までやっていたんですけど、その時は自分に合う素材が、油なのか日本画なのか、水彩なのか、アクリルなのか分からなくて。やってみても何かしっくり来なかったんですけど、何か、漆に会ったら、「これだ!」と思いました。だからもう本当に運命的ですよね、漆に会ったのは。

早川  漆って、感覚かもしれないですけど、言語化すると何がそんなに安藤さんにとって魅力なんですか?


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