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倉本貴之さん(カフェ経営/バイロンベイ)第1回「ライフワークのつくられかた」

オーガニック、美しい海、ヨガの聖地、フェスの街……バイロンベイ。そんなバイロンの森で隠れ家的なカフェを経営する倉本貴之さん。彼の強みは、その「類稀なるバランス感覚」にある。
熱いハートと冷静な頭脳。大胆な行動力と立ち止まって俯瞰する力。デザインセンスと経営センス……強烈なインスピレーションとモチベーションを受け取ったインタビューとなった。前編では、いかにして彼がライフワークを生きるようになったのかにフォーカスしてうかがった(2015年4月バイロンベイで対談)。

サーファーの聖地にある「土間」のようなカフェ

早川  ここはどのあたりに位置するのでしょうか。

倉本  オーストラリアのバイロンベイから車で20分ほど山のほうにきたところです。

早川  バイロンベイということで、来るのを本当に楽しみにしていました。オーストラリア、バイロンベイはそれぞれどういうところなんですか。一言でいうのは難しいと思うんですけれど。

倉本  バイロンベイといったら、海があって、ちょっとゆるい感じのリゾートです。サーファーや、ヨガなどのスピリチュアル系の方々も集まりますね。最近はお金持ちの方たちが街からきて、家を買ったりしています。

早川  バイロンベイというと、オーストラリアの最東端の町ということで知られていると思います。私はゴールドコーストから今日バイロンベイにきたんですが、ゴールドコーストもリゾートのど真ん中ですよね。ゴールドコーストというと日本人でも知っている方がたくさんいると思うのですが、ゴールドコーストとバイロンベイをかなり乱暴にたとえると、ゴールドコーストが沖縄本島で、バイロンベイはある一定のカテゴリの人が集まる島のようなものですか?

倉本  その面もやっぱりあるんですよ、もちろん。けれど、その半分は昔と変わってきていますね。本当にリゾートのような感じになりつつあります。

早川  というのは、僕が今回オーストラリアでいくつかの都市をまわって、オーストラリアに住んでいる方にお話を伺ったのですが、バイロンベイを知っていても行ったことがないという方がけっこう多くて。

今、まさに変わってきているというお話がありましたが、今の時点で、オーストラリア在住の人たちがバイロンベイに行くというのは一般的なことなんでしょうか。もしくは、まさに今そういう意味でもメジャーになりつつあるんでしょうか。つまり、サーファーやヨガをする人たちの聖地といった場所だったのが、少しジェネラルになってきているというか……。

倉本  開発されて、道もきれいになってきているし、その点では、家族連れでもきやすい場所になってきています。住んでいる日本人の数も昔に比べたらすごく増えました。結婚してこちらに住み、子どもがいる人が多いですね。

早川  日本人といえば、こちらのお店の名前は、Federal Doma Caféですよね。この、「土間」の意味を改めてうかがいたいんですが。

倉本  土間カフェというのは、ちょっと説明すると長くなるんですけれど。昔は、農作業する人たちが靴をはいたままそこでお茶を飲んだり、雨の日には作業をしたり。馬小屋や玄関にもつながる、家の中のコネクションだったんですね。そういう感じが好きなんですよ。家の中で、みんながそこを通って自分の部屋に行ったり、どこかに行ったりするという。
私たちも、コミュニティーのための空間がほしかったんです。ここには何もなかったし、私たちも日本人だし。コミュニティーが利用するような、そういうつなぎとしての「土間」ということです。ちょっとまじめな話になっちゃいますけど(笑)。

そんなふうになったらいいな、響きもいいなということを、自分のビジネスパートナーである〝お父さん〟と話していまして。そのお父さんが、一生懸命この部屋を作ってくれたんです。ですから、この部屋にはけっこう思い入れがあるんですよね、私たちには。

早川  まさに今このお話をさせてもらっている、ここが土間のある部屋です。囲炉裏があって。私たちは今、座布団をひきながら、あぐらをかいて話しています。

今、ビジネスパートナーのお話も出てきました。ビジネスパートナーは日本の方ですか?

倉本  そうです。共同経営者で、お互いシェフ。彼の前職はシェフで、10年くらいやっていますが、その前が内装大工だったんです。さらに本職の大工さんで、和室を専門とする50年の経験の持ち主です。

ここは結構、廃材を使っているんですよね。リサイクルの木というのでしょうか。捨ててあった木や、解体されたものを再利用しています。あそこにある柱は、ビジネスパートナーが100年くらい前の木をわざわざ買ってきたものです。最初、彼のお父さんもそれを見て、「こんなゴミみたいなの買ってきて」とちょっと怒っていたんですが(笑)。そのうち私たちも慣れてきました。この壁なども、やすりをかけてむき出しになっている感じにしているんです。これも「衛生的に悪そうだ」という感じだったんですが、そのうち目が慣れてきちゃいました。

早川  全然汚い感じなんてしないですよ。

倉本  一言でいうと、オーストラリアのテイストと日本人のテイストがうまく混ざったカフェなんじゃないですかね。

早川  なるほど。実は、午後2時すぎにこさせていただいたんですが、本来はもう閉店しているんですよね? カフェという言葉だけをとると、3時、4時くらいがいちばんカフェという感じなんですが、この土間カフェの営業時間はどうなんですか?

倉本  平日は、朝の7時半からお昼過ぎの2時半。週末は、7時半から3時までです。

早川  つまり、日本でいうティータイムは、むしろ閉まっていると(笑)。

倉本  閉まっていますね(笑)。

早川  これは私にとっては衝撃なんです。メルボルンから入ってきたんですが、そこでもやはりカフェは、ここほどではなくても、閉まるのが早いとは聞いていました。そのあたりも関連して、バイロンまでくると営業時間帯がさらに短くなるのか、単に倉本さんのお店がそうなのか……。

倉本  私たちもカフェを経営するのは初めてだったので、最初は営業時間がわからなかったんです。4時半くらいまでやったらいいのかなと思っていました。でも、最初は2人でやっていたので。

早川  そうだったんですか。

倉本  だからやっていられなくなって。もっと早く締めようということで、他のところをリサーチしたら、2時半とか3時に閉まるんです。だったらいいじゃないかという感じで閉めることにしました。そこの通りにバスラッシュがくるのが3時半なので、もし開けたら、もっと入るかもしれないですが。

早川  バス停もあるし、人の通りも激しいから、それらを全てリサーチして、逆算してここに開店したのかと思ったんですが。そのあたりはどうなんですか?


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