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横尾忠則さん(美術家)第3回「自分の中の子どもと対話する」

横尾忠則さんは、膨大な絵画を生み出すのと並行して、たくさんの著書も出版している。今回は、本に登場する言葉を引き合いに出しながら、横尾さんの人生哲学を浮き彫りにしていく。

情報や氾濫する世界の中で、何を捨てれば自由に生きられるのか。子どものように、みずみずしい創造性を大人になっても持ち続けるには? 常識にとらわれない彼の言葉は、なんとなく「息苦しい」と感じている人の心を解放してくれるはずだ(2018年11月対談)。

横尾さんにとって「書くこと」とは?

早川:横尾さんのご著書は数えきれないほどありますよね。
その中に、「書くのはある意味考える作業だし、絵の表現の敵だ」という記述がありました。
横尾さんにとって、「書く」ことの意味は何ですか?

横尾:文字を書くのは自己表現ではないんですよ。
どちらかというより、ライクに近いお仕事や、気分転換を兼ねています。
絵ばかり描いていると、「ちょっと違うことしてみたいな」と思うんですよ。
体がもっと丈夫だったら、スポーツをしていたかもしれません。
スポーツができないから、「じゃあ文字でも書こうかな」という感じに近いですね。

早川:とはいえ、何十年も前から相当な量を書いていらっしゃいますよね。
これも出版社から話があって、書くことになったのですか?

横尾:だいたい雑誌社や編集者からエッセイを頼まれて書きますね。
最近は依頼してくる人はほとんどいません。
朝日新聞の書評をやっているぐらいです。
小説の依頼はありますけど、それは書く気もないし。
エッセイはぽつんぽつんとあるくらいで、本当に少ないですね。
それで助かっています(笑)。
忙しくなってしまうと、絵を描く時間が全部そっちに取られてしまうから。
月に2本書く朝日の書評でもしんどいですよ、本を読まなきゃいけないので。
書くのはそんなにめんどうくさくないんですけど、読み終わったころには全部忘れていますからね。

早川:何年か前から、「本当にこれだという仕事以外受けない」と決めているそうですけど、それって直感で決めているんですか?


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