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ESSAY4| 「巡り会い」

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「巡り会い」

誰かと会うことは、想像とは違う一面に出合うことでもある。
メールだけのやりとりで怖そうだなと思っていた相手が、実際にお目にかかるととてもフランクだったり、日頃のビデオ会議だと喋らないイメージの強かった人が、リアルの場だと多弁だったりする。
相手が一般の人であれ著名人であれ、媒体を介さずに直に会うことは、こちらが思い描くイメージの外にいる相手に触れる機会にあふれているものだ。

インタビュアーは、まさにそれを体感させられる仕事。真っ先に思い出すのは、昨年お目にかかった一穂ミチさん(小説家)。会社に勤めながら活動していることもあり、彼女の顔出しはNG。事前リサーチのために過去のインタビューにあたってみると、当然のことながら9割以上は記事のみ。だが、できれば肉声だけは聴いておきたい。文字では見えない彼女の情報をつかみやすいからだ。声質、話すスピード、テンポ、テンション、話し好きなのかそうでないのか……これらを知ると知らないとでは、取材の入り方がまるで変わってくる。前者なら、すでに準備体操が済んでいるのと同じ状態。相手のリズムにあわせて話題に入っていきやすい。後者だと、文字通りぶっつけ本番となる。先入観に囚われず、まっさらな気持ちでのぞめるメリットはあるけれど、インタビュアーとしてはできるだけ事前情報を得ておきたいのが正直なところだ。

そんなわけで、今回もYouTubeやPodcastなどで一穂さんのインタビューを探していると、幸運にも一つだけ新刊(当時)について取材を受けている動画を見つけることができた。もちろん、顔出ししていないけれど「ひとつひとつの言葉を丁寧につむぎ出す方」「打ち解けたら気さくにお話ししてくれそうな方」というイメージがつかめた。

そして迎えたインタビュー本番。お迎えした一穂さんは、動画で拝見した印象よりもさらに物腰が柔らかく、穏やかな方だった。このように、記事や動画で切り取られてしまっている相手に出会えるのが、リアルの醍醐味だ。
今回のインタビューでは大きな発見が二つあった。(続く)

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