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浦田哲郎さん(医師/医療法人ホスピィー理事長)第1回「健康にかかわる全てをワンストップで」

今回のUpdaterは、医師の浦田哲郎さん。2017年4月、石川県金沢に複合施設「スコール」をオープンさせた。この「スコール」は最先端の医療が受けられるクリニックに、人間ドック健診センター、メディカルフィットネスが併設されている。スパやアロマセラピーも施設内で体験でき、原価率87%のカフェで健康的な食事を楽しむこともできる。健康に関するあらゆるサービスが受けられる「スコール」を作った理由を聞くと、彼の考える「医療のあるべき姿」が見えてきた。

唯一無二の施設「スコール」

早川:前回人間ドックで初めて、浦田先生にお世話になりました。
このスコールに来て感じたことは、「(病院っ」ぽくないな」ということです。

浦田:そうですか。

早川:外観も全然病院のイメージとは違います。
少し早めに来させていただいて併設の「cafe87」に行ったのですが、どうして「87」なのですか?

浦田:孫の名前が「ハナ」ということでつけたんですけど。
最近では、カフェの原価率が85%を超えているので「原価率の87」と言っています(笑)。

早川:そのうち90%に行くかもしれないですね。

浦田:少しは下げたいですけど(笑)。
近所のOLさんやサラリーマンなど、健康食に興味を持っているさまざまな方々に来ていただいています。
別に飲食業がしたかったわけではなく、難病治療をしている患者さんの治療食として始めたんです。
「こんな食事をしてほしい」と言葉だけで伝えてもなかなか伝わりません。
「これからカフェに食べに行って、つくり方を学んでください」と言える環境があればいいなと思ってオープンしました。
そこで料理教室もしています。
食材は普通のスーパーでは売っていないものを使っているので、当院のショップで販売しています。
ショップの原価もギリギリです。

早川:先ほどショップも拝見しました。
東京で買ったら値段がそれなりにするものも、大変良心的な価格で販売されていますね。

浦田:本当に困っている人が全員富裕層というわけではないので。
みんな家庭の事情はありますから、「費用がないから帰ってください」っていうのは、医療者としては絶対に言えません。
私の理想は、「心の医療」です。
そういう志を持って、介護老人保健施設や複合施設も運用しています。
病気になったら本人も、家族も苦しみます。
いつまでも元気でいて、できれば介護も先延ばしできれみんなハッピーですよね。
とくに若い人には、これから日本を背負って立ってもらわないといけません。

早川:改めてリスナーや読者の方にご説明すると、今日お話をうかがっているのは、金沢駅から5~10分の距離にある「スコール」という複合施設です。
今話に出たようにカフェやショップがあり、メディカルアロマトリートメント「Jinen」もあります。
人間ドックを受けることもでき、フィットネスジムやプールも併設されています。
一言でいうと「スコール」とは何でしょうか?

浦田:一言ではなかなか説明できないのですが、リフレッシュしたり、食事や運動について学べたりする施設です。
現代的な医療に自然療法を加えることで、それぞれが持っている自己治癒力をアップし、生活の質を上げていくことを目指しています。

早川:健康にまつわるサービスがワンストップで受けられるような印象を受けました。
浦田先生が知る限り、日本で他にこういうところはあるのでしょうかか?

浦田:おそらく似たような施設はあるでしょう。
ただ、ここまでこだわっているところはまずないと思います。

早川:どのようなところにこだわっていますか?

浦田:例えば、プールは一般的な水温より5度くらい上げ、水深も浅くしています。
塩素の使用量も普通のプールの4分の1くらいです。
内装にもこだわり、夜は水中照明とヒーリングミュージックで、リゾートプールのような雰囲気にしました。
本格的にスイミングをしないという人でも、ヒーリングプールを楽しんでいただけます。
プールはいいことづくしなんですよ。
足腰の悪い人でも、水中ならば浮力で関節にかかる負担を減らせます。
また、水の抵抗を利用して全身の大きい筋肉から体幹筋まで鍛えることもできます。
水圧がポンプのように体の循環を良くするので、代謝の効果も上がるのです。

早川:フィットネスジムにもこだわりがありますか?

浦田:フィットネスに関しては、治療や予防の一環として運動指導しています。
設備やトレーナーのレベルで言えば、アスリートまで対応可能です。
ただし、トレーニングだけでその方の目的を達成できるわけではありません。
トレーナーが食事療法なども勉強して、トレーニングと併せてアドバイスできるようにしています。
すべてのサービスは、医療がベースになっています。
治療や予防には、定期的なチェックが必要ですので、人間ドックもご用意しました。
一般的な人間ドックは病気を見つけるだけ。
何もなければ「よかったね」で終わってしまいます。
当院では病気のリスクを洗い出し、将来の病気まで予測します。
自分の体の弱点を知り、がんや動脈硬化などの病気のリスクを下げることが目的です。
日本人の三大死亡原因のうち、圧倒的に多いのはがん。
がん患者はまだまだ増え続けるでしょう。
症状があって初めて病院に行き、検査すると進行がんで手遅れというケースは非常に多いのです。
もしがんのステージ1や2の段階で見つかっていれば、まだ治る可能性はあります。

早川:そうですね。

浦田:事前に自分の動脈状態を知っていれば、脳梗塞や脳出血、脳血管障害で命を落としたり、マヒになったりすることも避けられます。
がんも動脈硬化も、治療にものすごく医療費がかかるんです。
それを支えているのは、若い人たちです。

早川:そういう意味でも、予防医療は大事ですよね。

プライマリーケアをするため、無医村の開業医になる

早川:ぼくも起業して10年になります。
人間ドックは毎年受けていますが、とくに異常がなければ「この数値でした。普段から食事には気をつけてください。以上」という感じで終わってしまいます。
それが日本の医療の現場ではほとんどです。
「スコール」では、人間ドック後の診断やコンサルテーションを一番大事にしている気がします。

浦田:そこが一番大事なんですよ。
日本の医学や医療の現場では、ほとんどの先生たちは予防医療に興味がなく、「自分は治療派だ」ととらえています。
確かに、手術や内視鏡治療をしている先生は治療家に間違いないですが、自分の専門分野だけに特化しています。
私はあえて、無医村での開業医を目指しました。


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