栗栖義臣さん(株式会社はてな代表取締役社長)第1回「たぶん僕は社内一ミーハーです」
今回のUpdaterは、株式会社はてな代表取締役社長の栗栖義臣さん。はてなといえば、2001年の創業とともに『人力検索はてな』を世に送り出し、『はてなブックマーク』や『はてなブログ』などのサービスでネット生活に深くなじんでいる。そんな同社の代表をつとめる栗栖さんに、ビジネスモデルや社員のクリエイティビティに対する考え方などをかがった。
ポッドキャストとブログサービスの共通点
早川:今日は株式会社はてなにおじゃましています。
『はてなブログ』や、『はてなブックマーク』はもちろん存じていたんですけど。
東京の会社だと思っていました。
栗栖:そこはちょっと複雑なんです。
本社は創業した京都にあり、本店は東京にあります。
早川さんとは反対に、京都の会社だと思っている方も多いんですよ。
登記上本社は複数つくることができますが、本店は一か所だけ登録できます。
早川:なるほど。勉強になりました。
栗栖さんのお住まいはどちらですか?
栗栖:京都なんです(笑)。
またややこしくしてしまって申し訳ないですが、ふだんは京都におります。
早川:ご出身は?
栗栖:出身は鹿児島です。
早川:東京にはどのくらい来ていますか?
栗栖:月1くらいですね。
早川:今いるのは東京本店の会議室ですが、窓からきれいな景色が見えますね。
栗栖:外部のお客さまがいらっしゃったときに使っている会議室です。
外側に根津美術館の庭園が見えますね。
うちの会社の持ち物ではないので、借景なんですけど。
早川:すばらしい景色が見える、千利休の茶室のような会議室にいます。
この部屋に名前はあるんですか?
栗栖:この部屋は「TATAMI」っていう名前です。
早川:そうなんですね。栗栖さんとはこの1年間で何度かお会いさせていただいていますが、最初はメールがきっかけでしたね。
「はてなの栗栖です」というメールをいただいて、驚きました。
あんなふうに栗栖さんから直接メールを入れることは多いのですか?
栗栖:時期によりますけど、そのときは本当にたまたまです。
ここ最近ポッドキャストに興味があって。
ポッドキャストって、iPhoneやiPodが出始めた頃からありますよね。
日本のポッドキャストの会社を調べたら、キクタスの早川さんが出てきました。
肩書が「プロインタビュアー」だし、写真を見るとまだ若そうだし、「すごいな。お話を聞けるなら一度お会いしたいな」と思ったんですよ。
そのときは勢いです。
ふだんからそんなことをしているわけではないですよ。
早川:ではご縁があったということで、ありがたいです。
栗栖さんも『ossan.fm』というポッドキャストを配信されていますが、実際にやってみていかがですか?
栗栖: インターネット初期の体験があらためてできて楽しいです。
早川:それはどういう点ですか?
栗栖:ブログサービスが出始めた頃って、「トラックバック」という仕組みがあったんですよ。
ブログの記事を読んで思ったことを自分のブログに書いて、そこにトラックバックを飛ばすとリンクが貼れます。
それによって、記事と記事がつながる仕組みなんです。
ポッドキャスト業界も、最近エンジニアの間でにわかに盛り上がっていて。
他の番組で「ossan.fmでこんなことを言っていたんですけど」という言及があって、それを聞いてまた私がコメントしたりするんです。
別に知り合いではないのですが、「お互いのことを軽く知っていますよ」というやりとりが昔のブログみたいですごくおもしろいなと思っています。
早川:番組は毎週配信しているんですか?
栗栖:はい。根がまじめなので(笑)
毎日だとたぶん続かないんですけど、「週1でやる」と決めて続けています。
収録自体は隔週なんですよ。
早川:月1ではなく隔週ですか。
さらに追い込みましたね。
栗栖:はい。
一緒にしている方と日にちを決めて、できるだけタイムリーになるように2本録りしています。
早川:すばらしいです。
ところで、はてなの社員さんのなかには、「ソーシャルメディアが好きじゃない」という方もいらっしゃるんですか?