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岩澤倫彦さん(ジャーナリスト)第2回「『あぶない』歯科医院の見抜き方」

「歯科医院選び」は難易度が高い。患者の視点に立てば、歯科治療はわからないことだらけだ。何が正しい治療か、本当に歯を抜く必要があるのか。患者自身に正しい知識がなければ判断できない。そんなとき、インターネットの口コミサイトで良い歯科医院を探す人は多いのではないだろうか? だが、岩澤倫彦さんはその「口コミサイト」に警鐘を慣らす。彼にあぶない歯科医院や、「やってはいけない」歯科治療についてうかがった。(2019年3月対談)。

信頼できる歯科医師はどのくらいいるのか?

早川:体感で構わないのですが、本当に安心して任せられる歯医者さんは全体の何割くらいだと思われますか?

岩澤:これまで取材してきた歯科医師は100人以上いると思いますが、すぐに応じてくれない人ほど真面目にコツコツ努力している印象です。
すごく問題意識のある方で、取材の申し込み後に僕の本や記事を読んで、「こういう情報発信をしている方の取材なら受けます」と言ってくれる方もいます。
反対に、クリニックの宣伝のために、自分から売り込んでくる人もいます。
「ちゃんとしている」と感じるのは1割から2割程度です。

早川:そうですか。
歯医者さんに怒られそうですけど、1%くらいかと思っていました。

岩澤:そんなことはないですよ。
ただ、真面目にコツコツ治療している人たちほど目立たないので、メディアにもあまり出てきません。
メディア露出の多い歯科医師の多くは、コマーシャルベースで活動しています。
本を出版していると目立ちますし、「ちゃんとしているから本を出せるんだな」と思いますよね。
実際は、300万から500万くらい出せば本は自費出版できます。

内容も「歯を抜いたらがんになりやすい」とか、何の根拠もないことが書かれている。
医療関係者なんだから、エビデンスベースで語ってほしいと思うのですが、ほとんど想像の産物だったりします。
そういう人ほど世間に支持されてしまうのは、広告戦略がたくみだからです。

早川:ブランディングの一環として自費出版する人は多いですから、歯科医師に限らず、そこは気をつけて見ないといけませんね。

岩澤:とくに若い世代は、ウェブから情報を得ます。
レストランを選ぶときは口コミのサイトの評価を見て、「3点だから微妙だな」「4点だったら間違いないかな」という判断をします。
歯科の業界にもそういう口コミを掲載しているサイトがありますが、あれはかなりの割合で「やらせ」なんです。

ウェブの予約システムを運営している会社が、営業時に「クリニックの口コミをいい感じにしておきますので、ぜひご利用ください」ということで契約をしているんです。
「すごく丁寧で良い先生だった」とか、一見もっともらしいことが書かれているので、信頼して行くと、実態とかけ離れていることが多いのです。

早川:そういえば、知り合いの女性が、レビューで高く評価されている歯科に行ったら、大学を卒業したばかりの若者ばかりで、腕も未熟で不安を覚えたそうです。
そういうカラクリがあるということですね。

岩澤:はい。たしか2年前に、勝手に歯を削った歯医者が傷害罪で逮捕されたことがありました。
地元ではいわくつきの人なんです。
最初は保険診療をしていましたが、不正請求で資格を取り上げられました。
そうしたら看板を変えて、自費診療を始めたんです。

誤った治療でお金取るようなことをして、訴え出た患者をスラップ訴訟したのですが、主張がまったくの虚偽で逮捕されました。
その人が勝手に歯を削って、傷害罪で逮捕されたんです。
どうしてそんなところに患者が集まるかというと、口コミ込みの予約サイトでとても良いことが書いてあるからです。
今は患者のニーズが多様化しています。
そういうところに目を付けて戦略的に展開したので、大勢が被害にあいました。

早川:良い歯医者さんの見分け方はありますか?


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