ウィル・ボウエンさん(作家・牧師)第4回「ポジティブとネガティブのほんとうの意味」
「ポジティブシンキングが大切」「あのひとはいつもネガティブだ」など、日常で使う両ワード。しかし本来の意味をどれだけの人が理解しているだろうか。日本が誇るある世界的企業のエピソードもまじえつつ、ポジティブとネガティブの「ほんとうの意味」を聞いた。
心を静める習慣を作る
早川:習慣やルーティンはとても大切だともいます。ウィルさんご自身は瞑想や執筆のほかにどんなことをしていますか。
ウィル:そうですね。そういう心を静める習慣を作ることは、今の忙しいご時世だからこそ大事なことだと思います。
私たちは、すぐ気が散り、注意散漫になりますよね。
この前ニューヨークで、列に並んでいたら、誰かの電話が鳴ったんですよね。
思わず、私が彼の電話を確認したくなりました。
びっくりする方もいるかもしれませんが、私は1日に2回、朝に20分と午後に20分瞑想しています。
朝はそれに加えて、自分の目標を書きだし、アファーメーションも20回書いて、祈りの言葉も書き写しています。
あとは、毎日体を動かすようにしていますね。今日ヨガをやったら、次の日は重量挙げ。
これはリスナーのみなさんもぜひ試して欲しいのですが、私は週に1回は、完全に仕事から離れて、何もしない日を作っています。
携帯電話もコンピューターも切って、完全に心も体もスイッチオフして休む日です。
早川:それはいいですね。
ウィル:日本では、一生懸命働くことが美徳とされていますよね?
これは、日本特有の価値観だと思います。
そして、そのため過労死も少なくないですよね。
アメリカの作家で起業家のティム・フェリスがこのことについて本でも書いています。
ちなみに私と彼の本は、同じ出版編集者が担当していました。
私も、執筆活動もするし、セミナーの講演、コンテンツの制作、オンラインマーケティングの会社といろいろやっていますが、週7日、四六時中仕事をすることもできます。
でもそれだけ仕事をしたとしても、常に仕事に追われている感じがします。
だから、携帯電話の電源を切って、明日のこの時間まで電話は一切見ないという風に決めて、ずっと読めていなかったラルフ・ワルド・エマーソンの革表紙の本をゆっくりと読むんです。
ゆっくり読書をしていると、交感神経から副交感神経にシフトします。
副交感神経に切り替わる時に創造性が大きく開花するんです。
これは、自分でも予想していなかったんですが、今までに私が成功を納めたものは、こういう風にリラックスしてのんびりした状態のときに生まれた閃きでした。
エマーソンの本を読み、そして同時に次の本のアイディアをメモします。
脳は常に何かを考えていてそれを止めるのは、とても難しいことです。
でも無理にでもリラックスさせないとダメだと思います。
本来の「ポジティブ」の意味とは?
早川:ネガティブなことというのは、わたしたちの人生から完全にとりのぞいたほうがよいものなのでしょうか。