ウィル・ボウエンさん(作家・牧師)第2回「思考と人生の密接な関係」
「不平不満を言わなくなると、人生が好転する」というウィル・ボウエンさん。彼の考案した不満克服のためのメソッドは、ブレスレットを手にはめて、不平不満を言わないように21日間がんばってみる、というもの。うっかりネガティブなことを口にしてしまったら、反対の手にはめ変える。このチャレンジを実践することで、「自分がいかにマイナスの言葉や思いを発信していたのか」に気がつく人も多いだろう。思考からネガティブなことを取り去ったとき、どんなことが起こるのか、ウィルさんに聞いた。
「不平不満を言わないこと」は意外と難しい
早川:このチャレンジを達成できる人とできない人の違いはなんでしょう?
ウィル:他の国のことは分かりませんが、アメリカでは、新しい年が始まると皆、ワクワクして新年の抱負をたてるんですね。
一般的に多いのが「5キロ痩せるぞ」とか「タバコ辞めるぞ」ということですね。
早川:日本も同じです(笑)
ウィル:日本でも同じなんですね。
ある研究によると、脳内でエンドロフィンという幸福感をもたらす脳内成分が分泌されるそうなんです。
新年の抱負を決めたときも、人生を変える決断をしたということで、ワクワクする刺激成分が分泌されます。
そして、元旦の朝起きて、運よく二日酔いでないとしても「何であんな抱負をたてたんだろう。ジムに行くの、面倒くさいなぁ」「体重は減らしたい。でも運動はしたくない」と思うわけです。
そこで分かったのが、このブレスレットをつけて21日間、不平不満を言わないと決めた時に、人生が変わるんです。
夫婦生活が改善したり、ビジネスで100倍もの収益が増えたりしたケース、病気が治ったケースも見ました。
不平不満を言い、ブレスレットを別の腕に付け替える時に、さっきのエンドルフィンが分泌されるんです。
最初にブレスレットをつけた時は、気分も高揚しているのですが、何度も繰り返しているうちに、「あ~、また変えないといけない!」とついつい不平不満を言ってしまうんです。
だから「21日間を達成する人」というのは、このプロセスが簡単なことではないということを分かっている人です。
逆にうまくいかない人のケースは、「1日に数回くらいブレスレットを付け替えるくらい」と簡単に考えている人は、成功しません。
「あ、すみません、今不平不満言ったので、ブレスレット付け替えますね」で、実際は1日に15回、20 回、30回とブレスレットを付け替えないといけないんです。
周りの人は、この人頭がおかしいんじゃないかとあなたのことを思うかもしれません。
でも、そこはこらえて続ける。続けることが大事なんです。
自分の本を売ろうとしているわけではありませんが、図書館でも私の書いた本があると思うのでぜひ読んでいただけたらと思います。
「不平不満を言う理由」「不平不満を言わなくなって、どう人生が変わったか」など、本を読むことで、より理解が深まり、続けやすくなります。
あとは、サポートシステム。一緒にがんばれる仲間がいるということが大事になります。
これまで、世界中に1100万個のブレスレットを送りました。
今でも毎年10万個を発送しています。その半数以上は外国です。
しかも、一切広告なども出していないんです。
早川:何カ国ですか!?
ウィル:最近ブレスレットを発送した国を数えたら、106カ国でした。
日本にもたくさん送っていますよ。
10個単位で送っている理由は、一人でこれに取りかかるのではなく、親や家族、友達も巻き込んでやってほしいからなんです。
そうすると皆と一緒にゲーム感覚で、楽しみながら取りくめます。
でないと、甘いものを控えている時に大きなパーティに参加するようなもので、周りがみんな甘いものを食べているのに、一人だけ食べない、そんな感じで続けるのは難しくなるんです。
早川:自分の近くに、とても大切な人ではあるけれど、いっぽうでネガティブな言動をする人がいたらどうすればよいでしょうか。