コシノジュンコさん(デザイナー)第4回「『何もない』ことの価値」
「コシノ三姉妹」の一人として才能を開花させたコシノさんにとって、子育てで重要なのは「良い環境を用意してあげること」と話す。実際に息子さんにはどんな機会を与えたのか聞いてみると、「あること」が子どもの心に大きな影響を与えることがわかった。
また、世界で通用するデザインを生み出し続けるコシノさんに、一流になれる人と、二流にとどまってしまう人の違いを質問。コシノさんの答えは、「自分にしかできない仕事をしたい」と願っているすべての人にとって、大切なヒントが詰まっていた。
チャレンジするときの「怖さ」も楽しむ
早川:今日お話しする前は、コシノさんは自信に満ちあふれていて、パワフルな人というイメージがありました。実は怖いものもあるでしょうか?
コシノ:いつも怖いですよ。
でも、怖いって言ってもしょうがないから、怖さも楽しむの。
早川:怖さも楽しむ?
コシノ:怖ければ怖いほど、レベルが高い仕事かもしれないわね。
「ちょっとこの人に会うの、怖いかな。どうしようかな」ってビビるでしょう。
早川:最近でもそんなことがあるんですか?
コシノ:やっぱり外国だと何があるかわからないから。
そういうときでも、マイペースになれれば最高ですよね。
早川:僕からすると、はるか上の人に会い続けるのは、ある意味そういうことで。
コシノ:うん。でもちょっと背伸びするくらいのほうが充実します。
真剣味があるし、緊張感があってすごくいいと思います。
急に頭が回転して、今まで思っていなかったことが出てきたりするから。
緊張感がないと、なれ合いになって、肝心なところでだらけちゃうことがあるから。
私は緊張感があるほうが好きですね。だけど、緊張感を緊張に見せないこと。
早川:秘訣はなんですか?